マイクタイソンと養神館合気道
Number920号がマイクタイソンの特集で思い出した。タイソンが東京ドームでプロ初黒星を喫した1990年2月11日の4日前のこと。
1990年2月7日、マイクタイソンはドンキングとともに養神館を訪れていたのだ。養神館とは、合気道の開祖植芝盛平の内弟子で、伝説の武道家として有名な塩田剛三が設立した合気道の流派だ。
Youtubeでもマイクタイソンが来訪した様子が動画で残っている。マイクタイソンを前にして、塩田剛三の内弟子達や、塩田剛三自身が演武をしている様子だ。
以前読んだ塩田剛三の著書の中で、マイクタイソンが最も興味を持ったのは呼吸投げだったらしい。この技はボクシングで言うところのカウンターのような技で、相手の勢いに合わせて投げる技だ。
もしかしたら、マイクタイソンは合気道の中にボクシングとの共通点を見出したのかもしれない。リングの中を縦横無尽に動きつつ、タイミングを合わせてパンチを放つ。合気道の達人が袴を履く理由は、膝の動きを相手に悟られたくないからだと言われている。そう考えると、マイクタイソンも膝の動きが、他のボクサーに比べて非常に柔らかい。
だからスタンスを一定に保ちつつ強いパンチを放ち、相手の攻撃もかわせる。
マイクタイソン。改めて偉大なボクサーだと思った。